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続いて2戦目。お兄ちゃんが無言で繰り出してきたのはレントラーだった。

サンダースほどじゃないけど、レントラーもレントラーで足が速い。

接近戦に持ち込んで一気に攻める!

「誠士、走って撹乱して!」

私の指示を受けた誠士が、持ち前のスピードで縦横無尽に駆け回る。

レントラーも彼の素早さに目が追いついてないみたいだった。

「今だよ誠士、ドラゴンクロー!」

「……かわして噛み砕く」

レントラーを狙って振り下ろされたドラゴンクローが外れ、フィールドに深く突き刺さる。

身動きの取れなくなった誠士のしっぽにレントラーが噛み付き、そのまま氷のキバを受けて倒されてしまった。

(サンダース戦でダメージを負ってたとはいえ誠士を倒すなんて、やっぱりお兄ちゃんは強い……)

生半可な気持ちでやってるつもりはこれっぽっちも無いけど、もう1度気を引き締めないと。

"この程度"だなんて思われたくはない!

「私に力を貸して。勇人、レッツゴー!」

私が2番手に繰り出したのは勇人。

最初は地面技を覚えてる焔に出てもらおうかとも思ったんだけど、本人の強い希望もあって出てもらうことにしたんだ。

今思えばバトル狂の彼が、シンオウ最強のジムリーダーとバトルするチャンスを逃すわけが無かった。

『誠士の仇は俺が取ってやるよ。レイナ、指示は任せたぜ!』

「うん! 行くよ勇人、思念の頭突き!」

『おぅ!』

頭部を青白く光らせて飛び込んで行った勇人をかわし、レントラーはすかさずそこに噛み付いた。

"噛み砕く"は悪タイプの技……なるほど、上手く弱点を突いた訳ね。

「それならこれはどう!? 勇人、逆鱗!」

『よっしゃ、思いっ切り暴れて良いんだな!?』

「設備を壊さないでね!」

『ハハッ! ったく無茶苦茶言ってくれるぜ、俺のトレーナーはよ!』

そう言って笑うと同時に、勇人の目が赤く光る。

激情のままに暴れ回るその姿は正しく……"荒れ狂う竜"そのものだった。


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