04
1番手に繰り出してきたのはサンダースだった。
サンダースと最初に会った時は、確かまだイーブイだったよね。
彼も私のことを覚えていたのか、"おー、久しぶりだなレイナ！"って笑う。
(お兄ちゃんのサンダース、確かかなり足が速かったよね……。
後続にはレントラーとエレキブルが控えてるだろうし、ここは彼に任せよう)
ボールベルトからモンスターボールを手に取り、フィールドへと投げる。
｢誠士、レッツゴー！｣
『あぁ、任された……！』
相手が素早さに特化したポケモンなら、こっちもスピードで勝負だ。
思えば、誠士はガブリアスに進化してから初めての公式戦だよね。
新しい技も覚えたみたいだし、存分に力を発揮してもらおうかな！
｢先手は譲る｣
｢それじゃあ遠慮なく！ 誠士、ドラゴンクロー！｣
｢電光石火でかわせ｣
サンダースがヒラリとドラゴンクローをかわす。
タイプ相性上、電気技を無効化しているとはいえ油断は禁物だ。
｢アイアンテール｣
『おりゃーっ、くらえーっ！』
｢火炎放射！｣
『心得た！』
誠士の口から発せられた灼熱の炎がサンダースに直撃する。
"熱っちーーーー！"って断末魔みたいな叫びが聞こえた。
ごめんね、サンダース。後でチーゴの実差し入れするから……。
｢畳み掛けるよ誠士！ ドラゴンダイブ！｣
誠士が激しいエネルギーを身にまとって、サンダースのいる場所へ突っ込んでいく。
それをかわそうとして足がもつれたのを……私は見逃さなかった。
｢これで決める……！ 誠士、大地の力！｣
バトルフィールドから噴出した大地の力をモロにくらい、サンダースは目を回して倒れた。
よし、まずは1勝！
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