03
バタバタと研究室に戻ってきたアララギ博士は、6つのモンスターボールと一緒に何かの機械を手渡してきた。
「はい、これがあなたのモンスターボールとポケモン図鑑よ」
「……ポケモン図鑑?」
「そのポケモン図鑑は、イッシュ地方に棲むポケモンたちに関するデータが入っているの。
自分のポケモンの能力や覚えている技を確認することもできるから、ぜひ色んなポケモンと出会って欲しいわ。
それとこっちはタウンマップ。イッシュ地方全域の地図よ」
(なるほどね)
相手の……ポケモンのことを詳しく知ることができるのは願ったり叶ったりだ。
せっかく死に損なってまでこの世界に来たんだから、たくさんのポケモンを見てみたい気持ちはある。
「……どうも」
「ポケモンジムもあるし、色んな人やポケモンと出会って思い出をたくさん作ってね。
何かあったら連絡してくれれば、精一杯サポートさせてもらうわ」
「それはどうでしょうね」
つっけんどんな返事をした私に、アララギ博士は困ったように笑った。
ポケモンとの出会いは大歓迎だけど、人間との出会いなんて求めてない。
「では、私はもう行きます」
そう言って踵を返そうとすると、"ちょっと待って"という声と同時に呼び止められた。
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