08
『で、お前はこれからどうするんだ?』
「そうだね……。まずはここから1番近い町に行くつもりだよ。
……無理な話なのは分かってるけど、君も一緒に来ない?」
『は?』
ゾロアークの金色の瞳が僅かに見開かれる。
そこには"何言ってんだコイツ"って色がありありと見えて、思わず苦笑いが零れた。
「だって、いつまたハンターに狙われるか分からないじゃない?
……あ、でも人間に従うのは嫌だよね。ゴメン、今の話は忘れて」
『……まぁ良い、その話に乗ってやる』
「……え?」
て、てっきり断られると思ってた……。
「本当に良いの?」
『確かに人間の言う通りにってのは癪だがな。
お前は戦力が増えるし、俺はお前をハンターの目から逃れるための隠れ蓑にできる。
利害は一致してるだろ』
「そ、そっか……」
本人が納得してるなら、それで良いか。
「じゃあ、今日から君の名前は紫闇だよ」
『しあん……?』
「うん、そう。……嫌だった?」
『……勝手にしろ』
「……フフッ。分かった、勝手にする。
私はハル。これからよろしくね、紫闇」
『……フン』
ゾロアークと一緒に、近くの町を目指して歩く。
並んで歩く2つの影が、夕日に照らされて揺らめいていた。
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