02

起こしに来てくれた緑炎と白刃と一緒に移動すると、雅と蒼真が待っていた。

「フユカ、ごきげんよう」

『おはよう、フユカ……』

「おはよう。雅、蒼真。……あれ、悠冬は?」

「あら? おかしいですわね。先程までこの部屋にいたのですけれど」

「私が探して参ります。緑炎、先に食事を始めておいてくれ」

「あぁ、悪ぃな」

白刃が悠冬を探しに部屋を出て行った。

悠冬、どこに行っちゃったんだろう?

というか、なんか喉が渇いたな……。

「蒼真、ちょっとコップに水汲んでくれる?」

『……はい』

「ありがと」

あ、冷蔵庫のおいしい水を入れてくれたんだ。冷たくて美味しい。

「白刃は"先に始めててくれ"っつってたし、食うか」

「そうだね。今日は特に急ぐ必要も無いし。
じゃあ、いただきま……」

「姫、ただいま戻りました」

白刃が悠冬を連れて戻ってきた。

「あ、おかえり白刃。早かったね」

「えぇ。ロビーにあるモニターを見ていたので早く見つけられました」

『フユカ、"現代"って色んなものがあるんだね! プクリンってポケモンが色々教えてくれたんだ』

「初めて見るものばかりで珍しいのは分かるが、勝手にいなくなるな。姫が心配なさるだろう」

『うっ……。ごめんなさい』

「無事に見つかったし、もう心配してないよ。次から気をつければ良いことだしね。
さ、冷めないうちに朝ご飯食べちゃおう」

全員がテーブルに着き(蒼真と悠冬は床)、朝ご飯を食べ始める。

今日の朝食はベーグルと紅茶(緑炎はコーヒー)、あとジェラート。

悠冬は初めて見る食べ物に興味津々だ。

『ねぇ、雅。これ何ー?』

「紅茶という飲み物ですわ。熱いので気を付けてくださいましね」

あれ、悠冬って氷タイプだから温度の高いものってダメなんじゃ……。

『え、熱いの?』

「あー、悠冬はアイスティーの方が良かったか……」

「冷やせば大丈夫じゃない? 氷取ってくるよ」

『あ! 冷やすなら僕やるー!』

「ちょ、悠冬タイム! 冷凍ビームの構えやめてー!」

危ない危ない。危うく部屋に氷河期が来るところだった……。


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