03
『あーっ! あの時のお姉ちゃんだー!』
肩からお腹にかけて伝わる重さと、ひんやりとした冷たさ。
そして目の前には宝石のようにキラキラとした水色の瞳。
「アマルス……?」
私にいきなりのしかかってきたのは、1匹のアマルスだった。
「まぁ、フフフ」
「アマルス、会えて嬉しい気持ちは分かりますが、降りてあげてください。
このままでは彼女が風邪を引いてしまいますよ」
ザクロさんの言葉にハッとなったアマルスは、素直に私の上から降りてくれた。
「あの、ザクロさん。このアマルスってもしかして……」
「はい。先日コウジンタウンの化石研究所で復活したアマルスです」
やっぱりそうだったんだ。
とりあえず、アマルスと目線を合わせて話しかけてみる。
「えっと……久しぶり、アマルス。私のこと覚えてる?」
『もちろん! また会いたいなってずーっと思ってたんだ!
えへへ、嬉しいなぁ』
"会いたかった"って……。か、可愛い……!
天使がここにいる!
「そのアマルスは、よほどあなたのことが気に入ったんですね。
あなたが研究所から帰った後、ずっと寂しそうにしていたそうですから」
ニッコリと笑いながら、ザクロさんは言う。
「フユカさん、このアマルスをあなたの仲間に加えていただけますか?」
「もちろん! アマルスさえ良いなら喜んで!」
即決です、ハイ。
だってキラキラと期待を込めた目で見られちゃね。
それに、イケメンに頼まれて断る理由はない!
「じゃあアマルス、今日から私たちの仲間だね。
私はフユカ。で、こっちから順番に緑炎、雅、蒼真、白刃だよ。
よろしくね!」
『ホントに!? やったー!』
わーい! って言いながら私の周りをグルグルと走り始めたアマルス。
あぁ、可愛いなぁもう!
「そうだ。名前はどうしよう?」
『名前?』
「なるほど、ニックネームを付けるんですね」
「はい。名前も、1つの絆の証だと思うので。
……そうだ、悠冬!」
『はると……?』
「悠は長い時間を越えてきたって意味。で、氷タイプを持ってるから冬の字を入れたんだ」
「なるほど! アマルスにピッタリのニックネームですね」
「アマルス、どうかな?」
『悠冬か……。ありがとう、フユカ!』
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