01
「こんにちはー」
ザクロさんとのジム戦を制した翌日――
私は再びショウヨウジムを訪れていた。
何故、昨日今日でショウヨウジムに来たかというと……
時はさかのぼって数時間前。
いつものように気持ちよく眠っていた私は、緑炎のゲンコツによって叩き起された。
「おはよう……」
「おはよう、じゃねえよ。もう昼だ。
それより、ザクロさんからお前宛に電話来てんぞ」
「ええっ!?」
緑炎の言葉で眠気が一気に吹っ飛んだ。
ザクロさんから電話!?
「ちょ、ちょっと待ってもらうように言って!」
「とっくに待ってもらってる。喋ってる暇があったら身なり整えて、フロント行ってこい」
電話の知らせを受けてバタバタと身なりを整える。
"後でかけなおす"って選択肢は無いのか!
あ、でも相手の都合もあるか。ザクロさん、ジムリーダーだし。
服を着替えて髪を結び、顔を洗ってフロントにあるテレビ電話へと向かった。
「すみません、ザクロさん! お待たせしました!」
「こんにちは、フユカさん。そんなに待っていないので大丈夫ですよ。
こちらこそ、お忙しい時に電話してすみません」
言えない……。さっきまで寝てた、なんて口が裂けても言えない……。
「ど、どんなご要件でしょうか?」
「実は、あなたに会わせたいポケモンがいるんです」
「会わせたいポケモン?」
どんな子だろう?
「はい。お時間が空いている時で良いので、ショウヨウジムに来ていただけませんか?」
「分かりました。じゃあ、3時頃にお邪魔しても良いですか?」
「3時ですね。お待ちしてます」
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