04
「次はこちらから行きます! アマルス、オーロラビーム!」
虹色に光る光線が、雅に向かって一直線に飛んでくる。
「雅、守る!」
だけど、雅は守るを覚えてる。連続では出せないけど、攻撃を防ぐにはもってこいだよね。
「次はエナジーボール!」
『はい』
『くっ!』
雅の放ったエナジーボールは一直線に飛んでいき、アマルスにクリーンヒット。
「岩石封じ!」
「かわして!」
次から次へと飛んでくる岩を、雅はひらりひらりとかわしていく。
贔屓目なのは百も承知だけど、その姿は舞っているみたいだ。
「少しでも多く体力を削るよ! 雅、ソーラービーム!」
『お任せを』
集められた太陽光のエネルギーが、白く光り輝く。
しかし――
「そうはさせません。アマルス、電磁波!」
「しまっ……!」
エネルギーを集めていた雅がとっさに動けるはずもなく、アマルスが放った電磁波をまともに受けてしまった。
「そのまま突進です!」
「雅、かわして!」
『く、ぅっ……!』
マズイ。麻痺の効果で動けないんだ……!
『きゃあっ!』
「雅!」
そこで私はあることに気付いた。突進のダメージがあまりにも大きすぎる。
突進はノーマルタイプの技のはず……なのにどうして?
「フユカさん、アマルスの特性をご存知ですか?」
考えていることが顔に出てたんだろう。ザクロさんが挑戦的な笑みを浮かべながら問いかけてきた。
「特性……? あっ!」
そうだ、アマルスの特性はフリーズスキン……。ということは、つまり……
「特性・フリーズスキンは、ノーマルタイプの技を全て氷タイプの技に変えます。
草タイプや飛行タイプなどの、氷タイプが苦手なポケモンには厄介な特性というわけです」
そうか、雅……もといビビヨンは虫・飛行タイプ。加えて突進はただでさえ威力の高い技だ。
だからダメージが大きかったのか……!
「これで終わりにしましょう。オーロラビーム!」
麻痺の効果とさっきのダメージがこたえたのか、雅は反撃する間もなく破れた。
「ビビヨン、戦闘不能! アマルスの勝ち!」
「雅、お疲れ様。ゆっくり休んでね」
『申し訳ありません。約束しましたのに……』
「十分頑張ってくれたよ。あとは任せて。
……いくよ、蒼真! Saisir la victoire!」
『了解……』
「それではアマルスVSニャスパー、バトル開始!」
「アマルス、オーロラビーム!」
「蒼真、光の壁でガード!」
蒼真が光の壁でオーロラビームを跳ね返す。
よし、上手くいった!
「サイコキネシス!」
「アマルス、振り払ってください!」
『はいっ!』
サイコキネシスを振り払っちゃった。ザクロさんのアマルス、見かけによらずパワフルだな……。
「何が出るか分からないけど、私は信じてる。
蒼真、猫の手!」
『了解……』
猫の手を使って蒼真が繰り出したのは――
「なっ……!?」
なんと、水の波動。
ちょっと待て、水の波動なんて誰が覚えてるんだ。……あぁ、白刃か。
「猫の手……自分の手持ちのポケモンの技をランダムに繰り出す技……。
なるほど、面白い技を使ってきますね。
ですが、そろそろ終わりにします! アマルス、オーロラビーム!」
フラついて隙ができてしまった蒼真に、オーロラビームがクリーンヒット。
「蒼真、大丈夫!?」
『大、丈夫……』
蒼真の体力は残り少ない。そして蒼真の攻撃技はサイコキネシスだけ。
だから私は蒼真を信じて……この技に賭ける!
「もう1度、猫の手!」
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