02
「あー、暑かったー」
ポケモンセンターで部屋を取って、クーラーの効いた部屋に入る。
『そうですね。冷たい飲み物が欲しくなりますわ』
『冷蔵庫に飲み物があるってジョーイさんが言ってたぞ』
「マジか」
部屋に設置されている冷蔵庫を開けると、おいしい水とサイコソーダ、ミックスオレが入っていた。
さすがポケモンセンター。トレーナーとポケモンに優しいわ。
「みんなはどれ飲みたい?」
『俺は水で』
『私はミックスオレをいただきます』
『僕もミックスオレが良い……』
みんなのリクエストを聞いて、とりあえずテーブルに置く。
「白刃はどうする?」
『私は、姫が差し出された物なら何でも』
「うーん、"何でも良い"って返答が1番困るんだけどな……」
『で、では……姫と同じ物を』
「ん、分かった」
冷蔵庫からサイコソーダを取り出し、またテーブルに置く。
炭酸って運動した後とかお風呂上がりに飲むと最高だよね!
あのシュワシュワが苦手って人もいるけど、私は好きだな。
『なっ……!』
白刃の声に振り向くと、緑炎と雅が擬人化したところだった。
『2人とも、その姿は……?』
「あ、そっか。白刃は擬人化を知らないんだっけ」
『擬人化?』
プラターヌ博士が言うには、トレーナーとポケモンの絆が強くなると人の姿になることがあるんだって。
『緑炎、雅! その擬人化とは、どうすれば出来るのだ?』
「どうって……自分が人間になったイメージを思い浮かべてるな。
細かいところは種族の見た目に左右されるみたいだが」
雅もそれに頷く。
てか、擬人化ってそんなメカニズムだったのね。初めて知った。
「けど、んなこと聞いてどうすんだ?」
『決まっているだろう。姫のお役に立つのだ』
お、おぅふ……。恥ずかしいことをサラッと言うね、この子は。
悪い気はしないんだけど。
「ねぇ擬人化の話も良いけど、早く飲もう? ぬるくなっちゃうよ」
サイコソーダのビンを開けて飲むと、何とも言えないシュワシュワが喉を刺激した。
うん、やっぱ炭酸はこうじゃなくちゃね!
「はぁー、美味しい!」
「やはり疲れた時には甘い物ですね、疲れが取れていくような心地ですわ」
「冷たくて美味いな。外も暑かったし」
『美味しい……』
しかし、白刃だけは飲もうとしない。
「どうしたの白刃、飲まないの?」
『ち、頂戴いたします!』
初めて目にしたであろうビンを咥えた白刃は、サイコソーダを一気にあおった。
「あ、おい!」
『!? ゲホッ!』
あー、遅かったか……。
てか白刃、涙目になってる。可愛いからカメラで撮っておこう。
ひとしきりむせた白刃は、不思議そうにサイコソーダを見ている。
『な、何だこの飲み物は……。水とは違うようだが』
「あー、それはサイコソーダっつってな。水に砂糖と炭酸を混ぜた飲みもんだ。
悪い、最初に言うべきだった」
『しかし、姫は随分と美味そうに……』
「私、炭酸の飲み物よく飲むんだ。喉が痛くなるくらい一気に流し込むのが好きなんだよね。
たまに勢い良すぎてむせるけどさ」
さて、喉の渇きも癒したところで作戦会議と行きましょうか!
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