04

「しかしなぁ、フユカさん。ワシらはもう我慢の限界なんじゃよ」

どうにかアブソルを追い払うのを考え直してもらおうと、町長さんを説得している。

けど、町長さんは全く考えを改めてはくれない。

「お願いします。私、まだ助けてもらったお礼も言えてないんです。
それにアブソルが災いを起こす訳じゃないことも、最近の研究で分かっています。
この町の住人でもない私が口出し出来る立場では無いです。
でももう1度、考え直してもらえませんか?」

「すまんが、これは町のみんなで話し合って決めたことなんじゃ。分かっておくれ」

町長さんは首を横に振るばかり。

プラターヌ博士の言ったとおり、アブソルの学説はまだ浸透してないんだ。

このままでは埓が明かない。こうなったら……!

「分かりました。じゃあこうしましょう。
私、あのアブソルをゲットして連れて行きます」

「なっ……! 本気かね!?」

「はい。
アブソルには少し可愛そうですが、お互いが譲らない以上はこれしか方法がありません」

私と町長さんの間に沈黙が流れる。

うぅ、正直に言って気まずい……。

でもここで引くわけには行かない。啖呵を切った以上は責任持たなくちゃ。



「……分かった。アブソルはひとまず任せよう」



「……! 本当ですか!?」

「ただし、お前さんがアブソルの捕獲に失敗した時は、残念だが実力行使に出させてもらうよ。
それまでワシらは邪魔せんと約束する。
やつはおそらく、輝きの洞窟にいるはずじゃ」

「ありがとうございます、町長さん!」

何とか追い払う予定を先延ばしにすることが出来た。

次は私がアブソルに会う番……いざ、輝きの洞窟へ!


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