03
"うーん、そんなことが……"
あの後私はポケモンセンターに戻り、プラターヌ博士に電話していた。
事の顛末を話すと、プラターヌ博士の表情が悲しげに曇る。
"君の言うとおりだよ。アブソルは災害を起こすために人前に姿を現すわけじゃない。
むしろ、これから災害が起こることを人間に伝えてくれるんだよ"
やっぱり……。私の記憶違いじゃなかったんだ。
"けど、それもつい最近になって分かったことなんだ。だから人々にはあまり浸透していないのかもしれない"
「どうすれば……」
"おそらく、町の人々を説得するのは難しいだろうね。
ポケモントレーナーとしての君は、どうしたい?"
「ポケモントレーナーとしての私……あっ!」
この方法ならアブソルを追い払わずに済むかも!
"何か、妙案が浮かんだようだね"
「はい! ありがとうございます、博士!」
通話を終えて部屋に戻ると、新聞を読んでいた緑炎が私を見た。
「博士との話は終わったのか?」
「うん。3人とも、明日は町長さんの家に行くから!」
「はぁ!?」
案の定ビックリされた。雅もキョトン顔だし、蒼真は……うん、相変わらず表情読めないわ。
「いきなり何言い出すかと思えば……町長の説得でもするのか?」
「もちろん! だってアブソルは何も悪くないじゃん。
だから説得してやめさせる」
「お前はバカか? ……バカだったな、そういえば」
「失礼な! ってか、バカバカ言い過ぎ!」
「ですがフユカ、町の人の様子だと説得には骨が折れそうですわよ?」
「町に来て間もないトレーナーの説得に耳を貸すとも思えねぇしな」
「そこはたぶん大丈夫! 聞き入れてもらえなかった時の秘策も考えてるから!」
何か緑炎にすっごい冷たい目で見られたよ。何故だ……。
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