02

「え……」

目の前には、白く美しい体毛を持った――



「アブソル……」



何でコウジンタウンにアブソルが?

けど、このアブソルに助けられたことは事実だ。

彼(彼女?)がいなければ、今頃私はあの岩に潰されてミンチになってたのかも。

あ、自分で言ってて寒気がした。

「アブソル……またアイツか」

何だろう……町の人たちの顔が険しい。

「この前現れたときは嵐だったわよね。もう出てこないで欲しいのに……」

どうして……?

過去にあのアブソルが何か悪さでもしたんだろうか。

「あの……さっきのアブソル、今までに何か悪いことでもしたんですか?」

「君はアブソルを見るのは初めてかい?
アブソルはあの湾曲したツノで災害を感知する能力がある。
滅多に人前に姿を現さないけれど、災害が起こる時だけ町に姿を現す。
だから、"災いを呼ぶポケモン"だと言われてるんだよ」

「だけど……」

「助けてくれた、と言いたいんだろうけど、今までこの町の住人は散々悩まされてるんだ。
嵐に地震……おまけにさっきの崖崩れときた。
町長とも相談して、近いうちにあのアブソルを追い払う計画も立ててるんだよ」

「そんな……!」

アブソルって、そんなに悪いポケモンだったっけ?

私の記憶違いで無ければ、アブソルが災害の前に人前に姿を現すのは災害を呼ぶためではなかったはず。

後でプラターヌ博士に聞いてみよう。


[*prev] [next#]






TOP
×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -