05


で、勢い勇んでトリミアンを探し、無事に見つかったのは良いものの……。

『ほら、ボクを捕まえてごらん!』

メッチャ素早い!

素早いってか、動きが軽やかすぎる。

5人がかりで、しかも緑炎までいるのに捕まえられないってどういうこと?

『楽しいなぁ! こんなにたくさんに追いかけられたの初めてだ!』

トリミアンは追いかけっこと勘違いしてるのか、スルスルと私たちの包囲網をかいくぐっては逃げていく。

これじゃ、いくら体力があっても足りない。

「トリミアーン! あなたのトレーナーが心配してるから戻ろー?」

サナちゃんが呼びかけても我関せず。

当のトリミアンは"もう追いかけっこ終わりー?"とか言ってる始末だ。

その後もトリミアンを追いかけ続け、気がつけば日はとっくに沈んで月が昇っていた。

こ、これじゃキリがない……。

もう体力も限界だ。

「トリミアン、もうそろそろ帰ろうー?」

『あともうちょっとー♪』

え、まだ追いかけっこするつもりか。

『あともうちょっとだけだから! じゃあ、行っくよー!

!?』

駆け出そうとしたトリミアンの体が宙に浮き、その場にとどまる。

なになに、何ごと?

「これは……サイコキネシスですわね」

「サナちゃんかセレナちゃん、エスパータイプのポケモン持ってるの?」

「いいえ、私の手持ちはフォッコとヤヤコマとフシギダネです」

「あたしはハリマロンとフラベベ」

雅はサイコキネシスを使えるけど、緑炎が言うには擬人化した状態で技を使うことは不可能らしい。

じゃあ、いったい誰が……。

『……トレーナーさんたち、困ってる……』

微かな声が聞こえ、そちらに視線を向けると、そこにはニャスパーがいた。


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