04
「そうだ博士、研究は捗っていますか?」
「うーん、まちまちといったところですねぇ。
次から次に疑問や興味が出てきてキリがないくらいですよ」
フラダリさんが入れてくれた紅茶を飲みながら2人の会話を黙って聞いていた。
ちなみに、ミアレガレットも現在進行形で美味しくいただいている。
また買いに行きたいです、まる。
「そういえば、フユカさんは博士の助手なのですか?」
「いえ。博士には色々とお世話になってますけど、助手ではないです。
仲間と一緒にカロスを旅してます」
「なるほど、それは素晴らしい! 旅は良いものですよ。
絵や写真でしか見たことのない場所、ポケモンたち!
それらを自分の目で見る感動は何よりも代え難い」
私がいた世界はそもそもポケモンすらいないから、何となく分かる気はする。
緑炎や……特に雅と会った時なんか、まさしくそうだ。
緑炎と会った時は状況が状況だったから驚くことしかできなかったけど、雅と出会った時は本当に感動した。
フラダリさんとの会話は、そんな他愛のない内容だった。
……そのはずだった。
「ところで、あなたは旅先で多くの人と出会ったことでしょう。
そこで1つ聞きたい。この世界は美しいと思いますか?」
「……!」
フラダリさんの射抜くような目つきに、全身が総毛立った。
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