02
「はぁ〜。やっぱりミアレシティって大きい街ですね」
ゲームで見るのとは大違いだ。当然だけど。
ミアレシティに立つ建物を見ていると、ふと懐かしさを感じた。
どうしてだろう?
「フユカさん? 黙り込んでどうしたんだい?」
「あ、いえ……。何でもないです」
まるで小さい頃に戻ったような……。
「そうだ! フユカさん、ミアレガレットはもう食べたかい?」
……。
まだだ!
「まだです。いつか食べてみようとは思ってるんですけど」
「そうか。じゃあ、ちょっとここで待っていて」
そう言って博士は甘い香りを漂わせているワゴン車に向かっていった。
ん? あれ?
この流れって……?
「ええっ!? 博士におごってもらう流れにぃぃぃぃっ!?」
『うるせぇ、騒ぐな!
周りの奴らがガン見してんだろ!!』
緑炎こそボールの中でガッタガッタ揺れんな!
『お、お2人とも落ち着いてくださいまし!』
さすが雅、窘めながらも言葉は優雅だわ……じゃなくて!
早く博士に"自分で買う"って言わn……あぁ、博士が戻ってきてしまった……。
しかもメッチャ苦笑いしてるし……。
「はい、君の分。出来立てだから美味しいよ」
「あ、ありがとうございます……」
せっかく博士が買ってきてくれたんだし、御好意に甘えよう。
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