01


「おはよー」

「あらフユカ様、ごきげんよう」

「はよ。朝飯はテーブルだ」

「ん?」

テーブルの席に着いている和服の美女はドチラサマ……?

「緑炎、いつの間に彼女出来たの?」

「は?」

いやいやいや、"は?"って何よ。

こっちが言いたいわ。

「え、だってそこの美人さん、緑炎の彼女じゃないの?」

「お前なぁ……昨日仲間になったやつのこと忘れたのかよ」

「仲間……? 
そう言えば雅がいないね。まだ寝てるの?」

「「……」」

緑炎、頼むからそんな冷めた目で見ないで。

って、何で美人さんまでシュンとなってるの?

「だから、そいつが"雅"だって言ってんだよ」

……。

「えええええぇぇっ!?」

「朝っぱらからうるせぇ!!」

あんたも結構うるさいよ!

てか何でおたまでデコを叩いたの!? 地味に痛いよ!?

「まぁまぁ緑炎様。フユカ様が混乱なさるのも無理ありませんわ。
私自身も始めは困惑しましたもの」

「ってことは、本当に雅なんだね?」

「はい。ごきげんよう、フユカ様」

「おはよう、雅!」

「切り替え早ぇな!」

朝の挨拶を済ませ、自分も朝食の席に着く。

今日の朝御飯はおにぎりとわかめと豆腐の味噌汁、だし巻き卵だ。

「今日は洋食じゃないんだね」

「あぁ、雅が和食の方が好きだって言ってたからな。
仲間になって最初の朝飯くらい、好きなもの食いたいだろうし」

「なるほどね」

「フユカ様は洋食の方がお好きでしたか? どうやら我が儘を言ってしまったようですね」

「んなことねえよ。
こいつは、梅干以外は食えさえすれば何でも食うから心配すんな」

大食いみたいに言うなし。

確かに梅干以外は何でも食べるけど!

「で、今日は博士と一緒にミアレシティを見て回るんだろ?
早く食わねえと間に合わなくなるぞ」

「うわぉ! そうだった!」

朝食を食べ終わると同時に身支度を整え、研究所の玄関へと急いだ。

ちなみに、味噌汁で舌を火傷しそうになったのはここだけの話。


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