10
その後無事にミアレシティに到着し、プラターヌ博士にハクダンジムでのことを話しながら晩御飯を頂いたのがさっきのこと。
部屋に入ってタウンマップを確認。うん、ショウヨウシティは遠いな。
でも、前から行ってみたいと思ってたショボンヌ城やパルファム宮殿に行けるのはラッキーかも。
ビビヨンは緑炎と話が弾んでいるし、だいぶ打ち解けてきたみたい。
でも、何か大事なことを忘れているような……?
「あ!」
いきなり大声を出したせいか、緑炎とビビヨンが目を見開いてこちらを見ている。
『どうかなさいまして?』
「ねぇビビヨン、名前付けても良い?」
緑炎、冷めた目で見るのやめようか。
『……と、言われますと?』
「せっかく仲間になるのに、"ビビヨン"じゃ他人行儀でしょ?
だから仲間になった証として、君だけの名前を付けるの。
どうかな?」
しばらくの間思案顔をしていたけど、次の瞬間にはあの綺麗な笑顔を見せてくれた。
やっぱり、この子には笑顔が似合う。
『是非お願いしますわ』
「じゃあ、雅」
『……みやび?』
「うん。綺麗な羽と心、そして笑顔持ってるってことで付けたんだけど……」
「まんまだな」
「緑炎、シャラップ」
『気に入りましたわ。
無理を言って仲間にしていただいたのに名前までいただけるなんて……。
本当にありがとう』
「良かった。私はフユカ。
で、目の前にいるのがジュプトルの緑炎。これからよろしくね、雅!」
『はい!』
雅……その笑顔が曇ることのないように。
これから一緒に頑張っていこう。
[*prev] [next#]
TOP