05
ビビヨンと別の話題で会話が弾み、ハクダンジム戦のことを話していた時だった。
「ねぇ、そのビビヨンは君の?」
目の前には私と同い年くらいの男の子が立っていた。
「いや、違うよ」
「そうか。
ん? なんだ、お前か」
男の子の言葉に、ビビヨンがビクリと震えた。
「この子を知ってるの?」
「知ってるも何も、そいつはもともと俺のポケモンだったんだ」
じゃあこの男の子が、ビビヨンを捨てたトレーナー……。
「どうしてこの子を捨てたりしたの?」
「あぁ、俺雪原の模様のビビヨンが欲しかったんだけどさ。ビビヨンに進化するまでどの模様になるか判別できないんだよね。
試しにそいつゲットして進化させたけど、1番個体数の多い"雅な模様"だったから」
あまりにも身勝手な理由に、私のお腹の底からフツフツと怒りが込み上げてくる。
自分の好みじゃないから、なんて理由でポケモンを捨てるなんて……そんなのあんまりだ。
「そんな自分勝手な理由で自分のポケモンを捨てたの?
どうして? 仲間だったんじゃないの!?」
すると、隣にいたビビヨンがいきなりどこかへ飛んで行ってしまった。
「あ、ビビヨン!?」
私はビビヨンを追いかけた。
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