01
(いよいよか……)
ヒャッコクジムの自動ドアの前で、大きな深呼吸を1つ。
ヒャッコクでのジム戦から1夜明けたこの日、私はゴジカさんに自分の過去を占ってもらう。
ゴジカさんはジム戦の後、すぐにでも占ってあげると言ってくれたんだけど……。
バトルで疲れている雅たちをゆっくり休ませてあげたかった。
(それに……)
これはもう、私個人だけの問題じゃない。
フウジョタウンで、みんなは私を私として受け入れてくれた。これから先も傍にいると言ってくれた。
だからこそ緑炎だけじゃなくて、雅たちも含めた全員で真実を知りたかった。
「……よし。みんな、準備は良い?」
「おぅ」
「えぇ、もちろん」
「……行こう」
「私も覚悟はできております」
「今日はジム戦じゃないんだし、もう少し肩の力抜いても良いんじゃない?
……て言っても、今回ばかりは難しいか」
「フユカの小さい頃の話かぁ。僕はちょっと楽しみだなぁ。
だって、明るくて優しい子だったって信じてるもん」
みんなの言葉に背中を押されて、私は再びヒャッコクジムの自動ドアを潜った。
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