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(いよいよか……)




ヒャッコクジムの自動ドアの前で、大きな深呼吸を1つ。

ヒャッコクでのジム戦から1夜明けたこの日、私はゴジカさんに自分の過去を占ってもらう。

ゴジカさんはジム戦の後、すぐにでも占ってあげると言ってくれたんだけど……。

バトルで疲れている雅たちをゆっくり休ませてあげたかった。

(それに……)

これはもう、私個人だけの問題じゃない。

フウジョタウンで、みんなは私を私として受け入れてくれた。これから先も傍にいると言ってくれた。

だからこそ緑炎だけじゃなくて、雅たちも含めた全員で真実を知りたかった。

「……よし。みんな、準備は良い?」

「おぅ」

「えぇ、もちろん」

「……行こう」

「私も覚悟はできております」

「今日はジム戦じゃないんだし、もう少し肩の力抜いても良いんじゃない?
……て言っても、今回ばかりは難しいか」

「フユカの小さい頃の話かぁ。僕はちょっと楽しみだなぁ。
だって、明るくて優しい子だったって信じてるもん」

みんなの言葉に背中を押されて、私は再びヒャッコクジムの自動ドアを潜った。


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