04
博士が用意してくれた部屋に入り、リュックを置く。
ベッドに腰を下ろせば、とてもフカフカだった。
「あ、そうだ。1つ聞いても良い?」
『何だ?』
「あのさ、名前付けちゃダメ?」
……。
うん、そんな冷めた目で見ないで。
『お前が付けたいんなら好きにすれば良い。ただし……
妙な名前だったら狩ってやるからな』
ちょ、何それ、シャレになんない。
しかも目がマジだわ、この子。
「じゃあ……緑炎」
『りょくえん……?』
「そ。何か昔から呼んでたみたいに、スッと浮かんできたんだけど……どうかな?」
『"緑炎"か……悪くはないな』
気に入ってもらえたみたい。良かった。
「よろしくね、緑炎。
私の名前は……」
『フユカだろ? さっき聞いてた』
そうでしたね。
あっさりとした返事がかえって寂しいよ。
何はともあれ、これからよろしくね。
緑炎。
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