06

7番室に到着すると、ちょうどジョーイさんとプクリンが部屋から出てくるところだった。

「ジョーイさん!」

「あぁフユカさん、今ちょうど治療が終わったわ。
アマルルガに会いたい気持ちは分かるけど、病室エリアではもう少し静かにね」

「あ……す、すみません……」

ジョーイさんに促されて部屋に入る。

私たちの姿が悠冬の目に映ると、彼はパアッと笑った。

『あっ、フユカ! みんな!』

「悠冬、もう大丈夫なの?」

『うん! 身体はまだ少し重いけど、1晩寝てたら回復するって』

「そっか……良かったぁ……」

「お前……本当に悠冬なのか?」

白刃がとても驚いた様子で悠冬に問い掛ける。

そうだった。悠冬が進化したことを知ってるの、私と烈たちだけだもんね。

『そうだよ、白刃。アマルスからアマルルガに進化したんだ』

「まぁ! それは喜ばしいことですわね」

雅の言葉を聞いて、エッヘンと嬉しそうに胸を張る悠冬。

進化してもこういうところは変わらないなぁ。

「悠冬、フレア団と戦ってくれてありがとうね。
悠冬のおかげで私も無事だし、ユキノオーを助けられるきっかけも作れたよ」

『あのユキノオーも無事なんだね、良かったぁ。目が覚めてから気になってたんだ』

労いの意味も込めて悠冬の頭をそっと撫でてやる。

すると彼は嬉しそうにスリスリしてきた。可愛い。

「そういえば緑炎の大きな声が聞こえてたけど……。何かあったの……?」

「えっ!? あぁ、うん……何でもないよ」

まさか病室エリアにまで響いてたなんて……と思ったけど。

そういえばここと宿泊部屋ってそんなに離れてなかった。

そう苦笑いを1つ零して、改めて悠冬に向き直る。

彼に聞きたいことがあるし。

「……悠冬。悠冬はみんなと……私と一緒にいて楽しい?」



『? どうしてそんなこと聞くの?』



えっ、って思わず声が出た。

自分の興味の対象に対して"どうして、なんで"と聞いてくることはあっても、悠冬自身が投げ掛けられた質問に対してそう言うことは無かったから。

あんな風に聞いてくるってことは……もしかして……。

(私といるのが嫌だったりするのかな……)

でもそんな私の思いとは裏腹に、悠冬はさも当たり前のように言ったのだ。


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