04
本日2杯目の紅茶を飲み、烈お手製のフルーツタルトを満喫した後。
プラターヌ博士からカロスの伝説のポケモンについて話を聞いた。
ちなみに他のみんなは別行動中で、緑炎は私について来ている。
「……さて、フユカさん。
このカロス地方にいると言われている伝説のポケモンのことは、君も知っているかい?」
「はい。ゼルネアスとイベルタル……ですよね?」
「その通り!
文献によると、かのポケモンたちを見た者はそのパワーに圧倒され、こう伝えるのみだった。
まるでX、Yという文字のようなポケモン……と」
博士の話を聞きながら、元の世界にいた時に見たゲームのパッケージを思い出す。
……うん、確かにそれっぽい姿だったような気がするな。
「ゼルネアスは生命エネルギーを操り、イベルタルは生命エネルギーを吸い取ってしまうらしいね」
「ゼルネアスは長い眠りから覚めた後、他のポケモンや植物たちの活力をみなぎらせる。
逆にイベルタルは、他のポケモンや植物から生命を奪ってしまう、とも書かれていたわ」
「生命を、奪う……」
ゼルネアスもすごいポケモンだけど、どうしてもイベルタルの方が気になってしまう。
テオドールさんの日記を読んだから?
それとも……
(私が本当にシャルロットさんだから……?)
そこまで考えて、私は心の中でかぶりを振った。
博士の話はまだ続いてるんだから、ちゃんと集中しなきゃ。
「……それだけの力を持つポケモンが、今はどこにいるんでしょうか?」
「ゼルネアスとイベルタルは、活動エネルギーが無くなると人知れず眠りにつくと言われているんだ。
だから詳しい居場所は分かっていないんだよ。
この前見つけた文献も、1000年ほど前のものだしね」
……まぁ、居場所まで割り出されてたら伝説っぽく無くなっちゃうか。
それこそ悪い人たちに悪用されちゃいそうだし。
緑炎が隣で"イベルタル……"と呟く。
こころなしか、彼のティーカップを持つ手に力が入っている気がした。
(そうだよね……)
彼にとってイベルタルは因縁のあるポケモン。思うところが無いはずがない。
その時だった−−。
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