05
ニコラさんからの誘いは、とても嬉しかった。
私も久しぶりにシャーリーに会いたいなって思ってたから。もちろん、剛さんや他の使用人さんたちにも。
でも、あのお屋敷に行くのを躊躇ってしまう。
みんなに会いに行くのが怖い……そう思ってしまう私がいる。
「そ、れは……」
「あー……やっぱ無理っすよね。
セキタイとこの先のヒャッコクじゃ、かなり距離があるもんな」
「ごめんなさい。行きたくない訳じゃないんですけど……」
「いや、俺の方こそ姐さんの都合も考えずサーセン。
……何かあったんすか?」
「え……?」
ニコラさんが真剣な顔で私を見詰める。
その目は私を心配してくれているもので、それをとても申し訳なく思った。
「……大丈夫、何も無いですよ」
「なら良いんすけど……。もし悩みとかあんなら、俺で良けりゃ相談に乗るんで」
(悩み……)
せっかくだし気分転換がてら、あのことについて相談してみようかな。
「じゃあ、1つだけ……。大したことじゃないんですけど、良いですか?」
ポツリと呟いた言葉にコクリと頷いたニコラさんに、私は小さな悩みを打ち明けた。
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