07

「ニンフィア、戦闘不能! アブソルの勝ち!
よって勝者、チャレンジャー・フユカ!」

キリカさんのコールが高らかに響く。それと同時にメガシンカが解けた白刃がその場に膝を付いた。

(勝った……勝ったんだ……!)

遅れてやって来た勝利の実感に、私も脚から力が抜けてその場にへたり込んでしまう。

何とか足に力を入れて立ち上がり、白刃の元へ駆け寄った。

「白刃、お疲れ様」

『姫……。立ち上がれないことを、どうかお許しください』

「うぅん、白刃と龍矢が頑張ってくれたからこそ勝てたんだよ。
本当にありがとう! ゆっくり休んでね」

白刃をモンスターボールに戻したところで、マーシュさんたちが私の方に歩いてくるのが見えた。

「マーシュさん、今日は本当にありがとうございました」

「うちの方こそ、おおきに。こんなに楽しいバトル久しぶりやったわ。
……あんな、ポケモンと心が重なり合う時ってポケモンバトルで追い込まれた時なんよ。
あれって、何なんやろねぇ?」

「……私にはまだ、その答えは分かりません。
でもトレーナーはポケモンを信じ、ポケモンもトレーナーを信じてその力となる。
そうやってチームとして一緒に成長していける……今はそれで良いんじゃないかって、私は思います」

マーシュさんは微かに目を見開いたかと思うと、すぐにクスリと微笑む。

"そうやねぇ"と綺麗な笑顔を見せる彼女の顔は、とても晴れやかだった。

そしてシオネさんの持っているトレーからバッジを手に取ると、それを私へと差し出した。

「これがうちに勝利した証、フェアリーバッジ言いますねん。受け取っておくれやす」

「ありがとうございます!」

さっそく貰ったばかりのバッジをバッジケースへと収める。

これで勝ち取ってきたバッジの数は6個になった。

「わぁ……やっぱり可愛いなぁ、フェアリーバッジ」

「ウフフ、バトル中のあんさんも輝いとった。
その衣装、ほんまによう似合ってはるわ」

「あ、ありがとうございます……」

バッジを受け取った時とは打って変わって急にしりすぼみになっていく私を見て、マーシュさんたちは綺麗な顔で笑った。


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