06

ニンフィアとのバトルは苦戦を強いられた。

タイプ相性が悪いことに加え、ニンフィアはリボンを巧みに操ってこっちの攻撃を妨害してくる。

その上シュシュプとのバトルと違って、容赦なくフェアリー技を叩き込んできた。

(白刃は……というかうちの子はみんなそうだけど、回復技を持ち合わせてない。
このままマジカルシャインやムーンフォースが直撃し続けるのはさすがに避けたい……。
本人は大丈夫だって言い張るだろうけど、ここは龍矢と交代させるべき?
……いや、龍矢だって羽休めを使ったとはいえダメージが残ってる)

こうして考え続けている間も、ニンフィアは攻撃の手を緩めない。

ついにニンフィアのリボンが白刃の身体を絡め取ってしまった。

『……ふぅ、あなたって足が早いのね。やっと捕まえられたわ』

「白刃!」

このままじゃマズイ! 彼を拘束している以上、マーシュさんは必ずフェアリー技のどちらかを指示してくる。

その前に何とか、あのリボンを振りほどかないと……!

(でも、どうやって……?)

するとその時、"姫!"と私を呼ぶ白刃の声が聞こえてくる。

彼の目は力強い色で私を見つめ、その闘志を燃やしていた。

『躊躇うことはありません。姫、どうぞご命令を!
今こそ……私と貴女の"絆"を見せる時です!』

「……! そっか……分かった。
お願い白刃、私に力を貸して!」

その言葉と同時に、キーストーンとメガストーンから虹色の光が迸る。



「これが私たちの……絆の力! 白刃、メガシンカ!」



白刃を包み込んだ光が、まるで風船のように大きく膨れ上がっていく。

それが弾けるのと同時にニンフィアの拘束が解かれ、フィールドにはメガアブソルになった白刃が立っていた。

「今日は色々驚かされてばかりやわ。まさかメガシンカの使い手やったなんてなぁ。
けど、これで終わりにしましょ。ニンフィア、マジカルシャイン!」

マジカルシャインの強烈な光がバトルフィールド全体を照らす。

今ので白刃の体力は限界まで削られてしまったはずだ。

だからここからは……スピード勝負に出る!

「ムーンフォース!」

「火炎放射!」

ムーンフォースと火炎放射がぶつかった衝撃で、バトルフィールドを砂埃が包む。狙うなら今しかない!

「今だよ白刃! 辻斬り!」

激しい轟音が鳴り響き、砂埃が一気に霧散していく。

視界の晴れたバトルフィールドに最後まで立っていたのは……。


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