04
シトロン君に案内され、バトルフィールドに足を踏み入れる。
ユリーカちゃんは"お兄ちゃんの後ろで見てる!"って言ってたけど、"危ないから観客席で見てて"と説得されていた。
ポケモンの技が当たったりしたら大変だもんね。
小型のビデオカメラをずーっと私に向けている水姉さんに苦笑いをして、ジム戦に集中するべく視線をフィールドへ移した。
「では早速ですが、ジム戦を始めましょう。
僕の1番手はこのポケモンです。頼みますよ、エモンガ!」
『はぁい、ボクに任せて!』
相手のポケモンはエモンガかぁ。あの可愛い見た目に騙されないようにしなきゃ。
「悠冬、Sasir la victoire!」
『だこーる!』
悠冬は今回で2回目のジム戦。
シャーリーのガチゴラスとバトルしてから、以前よりもバトルに意欲的になってきたんだよね。
あの時の勝利で"ポケモンバトルは楽しいものだ"っていう認識になったんだろう。
今回のミアレジム戦に出てもらうと話した時は、すぐさま蒼真をPCのバトルフィールドに引っ張って行ったくらいだ。
「アマルス……岩・氷タイプですね。
それならスピードで勝負します! エモンガ、燕返し!」
シトロン君の指示を受けたエモンガが猛スピードで迫ってくる。
「冷凍ビーム!」
『うんっ!』
冷凍ビームがエモンガに直撃し、バランスを崩してバトルフィールドに降りていく。
「畳み掛けるよ悠冬! 原始の力!」
『それーっ!』
「苦手タイプの連続は厳しいですね……。
エモンガ、電光石火で躱してください!」
『分かった!』
電光石火のスピードを味方につけたエモンガが、原始の力を躱しながら突っ込んでくる。
「悠冬、もう1度冷凍ビー……」
「そうはさせません! エモンガ、そのままボルトチェンジです!」
しまった、ボルトチェンジ覚えてたのかあの子!
『当ったれー!』
『わぁっ!?』
「悠冬!?」
悠冬にダメージを与えつつ、エモンガがモンスターボールへ戻っていく。
シトロン君が次に繰り出したのは、悠冬にとって天敵とも言える鋼タイプを持つレアコイルだった。
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