06


「……」



言葉が出なかった。

テオドールさんは、何を思いながらシャルロットさんを異空間に送り出したんだろう?

彼女の記憶を封印してもらっている時、何を感じていたんだろう?

彼のシャルロットさんに対する想いを文面から感じ取ってしまう。

それと同時に彼女を探し続ける緑炎の心境を思うと、とてもいたたまれなくなった。

(シャルロットさんは、カロスとは違う異世界にいるってことだよね……。
それなら、彼女がこの世界に戻ってくるって確証は無い。
緑炎は……そうと知らないままシャルロットさんを探し続けることになるの?)

でもこんなことを緑炎に言えるはずもなく。

この時私は初めて、ほんの少しだけテオドールさんを恨んだ。


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テーマ「人外ファンタジー」
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