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シャーリーとのポケモンバトルの後、部屋に向かおうとすると白刃に呼び止められた。

「姫、この後はどういったご予定で?」

「とりあえずお昼ご飯までは本を読もうかなって」

「そうでしたか。僭越ながらご一緒しても良いでしょうか?
私もシャルルから薦められた小説を読もうと思っておりましたので」

白刃、ここに来てから本をよく読んでるもんね。

「良いよ、じゃあ書斎に行こうか。部屋に本を取りに行くから、先に行ってて」

部屋に置いてあるカバンの中から日記を手に取り、書斎へと向かった。



書斎に入ると、白刃は既に本を読み始めていた。

私に気付くと隣の席の椅子を引いて座りやすくしてくれる。

こういうとこ、ホント紳士だよねぇ。

前にそう言ったら"姫にお仕えする騎士として当然のことです"って、すごく良い笑顔で言われたっけ。

「それ、どんな本なの?」

「推理小説です。
突如行方不明となった屋敷の主を探すため、その執事が手掛かりを集めていくというものなのですが……。
主へ一途に忠誠を捧げるその姿が、今の私に重なって見えてしまって」

"もちろんシナリオも面白いですよ"って彼が笑う。私も今度、シャルルさんに初心者向けのを教えてもらおうかな?

「姫は何をお読みに? ……見たことの無い表紙ですね」

「これはこのお屋敷の当主だったテオドールさんの日記だよ。
剛さんが貸してくれたんだ」

「剛さん? ……あぁ、ボスゴドラだというあの男性ですか」

「そうそう。このお屋敷のことを……テオドールさんとシャルロットさんのことが分かればな、って。
そうすれば自分の記憶に欠けてる何かが……"本当の自分"が何者なのか分かる気がするんだ」

さて、続きを紐解いていこうか。


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