04
シャワーを浴びて髪を乾かし、雅が持って来てくれた服に着替える。
みんなに合流するために廊下を歩いていると、向かい側からシャーリーさんが歩いてくるのが見えた。
その手にはポケモンフードの入ったお皿を持っている。
「シャーリーさん!」
私が声をかけると、彼女はビクッと肩を揺らす。
え、私何かした?
「あ……フユカ様」
「こんにちは。ポケモンのお昼ご飯ですか?」
「は、はい。部屋から出したことが無いので、こうして食事を持って行っているんです」
「へぇ。仕事の合間でもこうしてご飯を持って行くなんて、その子のことが本当に好きなんですね」
「はい。甘えん坊ですけど、私にとって大切なお友達なので」
そういえばクロエさんはプクリン、エルザさんはフラージェス、ソフィアさんはペロリームを連れてたっけ。
ってことはシャーリーさんもフェアリータイプの子を連れてたりするのかな?
「ここのメイドさんってフェアリータイプの子を連れてますよね。
シャーリーさんのポケモンって、どんな子なんですか?」
シャーリーさんが小さく"えっ"と零して固まってしまう。
あ、あれ……もしかして聞いちゃいけなかったのかな?
「あ、その……ちょっと気になっただけなんで、無理して答えなくて良いです!
変なこと聞いてごめんなさい」
そう言って謝ると、シャーリーさんは"いえ、大丈夫です"と笑う。
でもその笑顔はどことなく元気が無かった。
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