01
セキタイタウン・レオンハルト家に宿泊して2日目。
クロエさんが起こしてくれて、窓から太陽の光を浴びる。うん、今日も良い天気だ。
「おはようございますフユカ様、雅様。よくお休みになられましたか?」
「はい! ベッドがフカフカで、よく眠れました」
「とても快適に過ごさせていただいています」
"それはよろしゅうございました"とニッコリ微笑んだクロエさん。
うっ……その綺麗な笑顔がとても眩しい!
「お顔を洗うお湯とタオルをお持ちしました。どうぞお使いください。
プクリン、雅様にお渡しして」
『はーい』
クロエさんとプクリンからお湯の入った洗面器とタオルを受け取る。
お湯は熱過ぎず、ぬる過ぎずのちょうど良い温度で、タオルもフワフワで抜群の手触りだった。
"至れり尽くせり"ってこういうのを言うんだろうなぁと思う反面、申し訳ないなっていう気持ちも少しある。
「それではお召替えが終わりましたらお呼びください。
食堂までご案内いたします」
「はい、ありがとうございます」
クロエさんが部屋を退室した後、顔を洗って歯を磨く。
洗面所から戻ると、ベッドの上に腰掛けて髪を梳かす雅がいた。
(そういえば、着物じゃない雅って初めて見るな……)
今私たちが身に付けているのは、映画の中でたまに見るワンピースのような室内着。
いわゆる"ネグリジェ"だ。
まさか人生の中でネグリジェを着て、天蓋付きのベッドで寝るなんて経験をするとは思わなかったよ……。
私はもちろん雅も実際に着るのは初めてだったから、着方が分からなくてクロエさんに手伝ってもらったんだよね。
ちゃんとその時に一通り教えてもらったから、もう大丈夫なはず。それにしても……。
「雅って洋装もサマになってるよね。ワンピースとか裾の長いスカート似合いそう」
「そうでしょうか? こういった衣装は初めてなので、少し新鮮ではありますけど……」
「似合いそうっていうか、絶対似合うと思う」
今度水姉さんに会ったら、雅の洋服を見繕ってもらおう。
[*prev] [next#]
TOP