01
「着いたー! ヒヨクシティ!」
メェール牧場を出発して歩くこと約1時間。ヒヨクシティに到着した。
北は海、南は山に面した緑豊かな街で、街中にはレールのようなものが走っている。
『わぁ、海が見えるよ!』
『うん……キラキラしてる……』
「今日1日中晴れるって言ってたもんね」
雨が降る心配は無いし、絶好の散策日和だ。
ポケモンセンターで部屋の予約を済ませて、タウンマップを開いた。
「えっと、この街にあるのは……ヒヨクジムだね。
服はこの前買ってもらったばかりだから、ブティックは今回はいいかな」
『では、今日はジム戦のスケジュールに?』
「そうなるね」
緑炎から聞いた話だと、この町のジムリーダーは草タイプの使い手らしい。
それならこっちは、雅と悠冬の2人に決まり。あと1人をどうしようかな?
うーん……と頭を悩ませる私の名前を呼ぶ誰かがいる。
この声は――
「どうかした、蒼真?」
『僕も出る……』
おっ? 蒼真が自分からバトルに出たがるなんて珍しいな。
『大丈夫か、蒼真?』
『うん、大丈夫……。みんなに任せてばかりなのは嫌……。
フユカのあんな顔。もう見たくないから……。だから強くなりたい……』
そういえばここ最近のバトル、緑炎と雅と白刃に任せっきりだったなぁ。
普段"大人しすぎる"と感じるほど控えめな蒼真が、自分から進んで意思表示してくれたのは嬉しい成長だ。
悠冬と一緒にいることが多いから、彼の天真爛漫な性格が良い影響を与えてるのかもしれない。
それに"あんな顔"というのは、ほぼ100%コルニちゃんに負けた時のことだと思う。
「そっか、ありがとね蒼真。よし、じゃあヒヨクジムに出発!」
『おー!』
『モノレールに乗らねぇと北側には行けねぇぞ』
「……目的地変更! まずはモノレール乗り場に出発!」
『おー!』
『やっぱり女の子も子どもも、元気なのが1番だねぇ』
『今回ばかりはお前に同意する』
よーし、4個目のバッジ頑張るぞー!
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