07
メェール牧場に戻ると、あのエアームドはまだいた。
相性の悪い緑炎はもちろん、白刃も苦戦を強いられていることは明らかだ。
「緑炎、白刃! 大丈夫!?」
『姫!? ご無事でしたか!』
『誰だソイツ?』
白刃が私を見て安堵の息を零し、緑炎は龍矢さんを見て訝しげな目をする。
『あら、戻ってきてしまいましたの?
今のうちにアブソルをアタクシのものにしようと思いましたのに、残念ですわ』
「だーかーらー、白刃はあげません!
とりあえず話は後だよ2人とも。まだいける?」
『正直言ってキツイ。俺も白刃もシザークロスを食らったら不利だ』
『口惜しいですが、緑炎の意見に同意です。
いっそのこと、私がエアームドのものになれば……。
姫……例えこの身はエアームドの元にあろうと、この心だけは貴女と共に』
「ストーップ! 勝手に話進めないで!
私は絶対に白刃を手放したりしないんだから!」
……とは言ったものの、この圧倒的に不利な状況をどう覆したら良いんだろう?
2人とも体力はもう限界。何とか打開策を考えなくちゃ。
必死に勝機を手繰り寄せようと藻掻く私の肩に、そっと手を添える人がいた。
[*prev] [next#]
TOP