04
「えーっと、自販機は……あれ?」
おかしいな、この辺りで見たと思ったんだけど。
もう少し近くを探してみようかな。
その時、ドンッ! と私は誰かとぶつかってしまった。
「わっ! ごめんなさい!」
振り返った先にいた人物を見て、私は思わず固まった。
何故なら相手は赤いスーツに赤い髪(ウィッグ?)、赤いサングラスを掛けた2人組だったからだ。
(フレア団……!?)
咄嗟に背を向けて逃げようとしたけど、逃がさないとでも言うように腕を掴まれてしまった。
「おやぁ? 君はもしやフラ……ボスが探している娘では?」
今絶対"フラダリ様が"って言いかけたぞ、この人。
というか、さっきから腕を引っ張ってるのにビクともしないのは何で?
「ひ、人違いじゃないですか!?
そもそもあなたたちのボスなんて知りませんし!」
「君がボスと面識があるかなんてどうでも良いことです。
聞いていた特徴と一致していますので、我々のアジトまでご同行願いましょうか」
「絶対に嫌です! 離してくれません!?」
不幸なことに、ここは大通りから外れた細い路地。
大声を出したとしても雅たちには届かないだろうし、今のこの状況を目撃している人すらいない。
何とか手を振り払おうとするけど、相手は大人の男性だ。
抵抗したところで全く意味を為していなかった。
(まずい。このままだと本当に連れて行かれちゃう……!)
次第に体力を消耗し、フレア団のなすがままにされかけた時だった。
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