03

「コジョフー、はっけい!」

「緑炎、燕返し!」

コジョフーが目を回して倒れた。まずは1勝。

あれからジムに行ってコルニちゃんにジム戦を申し込んだのがさっきのこと。

アレックスさんを見た彼女に、"もしかして、彼氏さん?"って目をキラキラさせながら言われた。

先輩トレーナーで押し通させていただきましたよ、ハイ。嘘はついてない。

「流石だね、フユカちゃん。
前のバトルの時も感じたけど、やっぱりそう簡単にやられるようなトレーナーじゃない。
自分のポケモンを信じて戦ってるのが伝わって来るよ」

「ありがと、コルニちゃん。
ポケモンバトルはトレーナーとポケモンが一緒になってやるんだもん。
私は緑炎たちを信じて戦うだけだよ」

自分のポケモンのことを1番分かってるのは自分自身。

私が緑炎たちを信じてやれなくて、誰が信じてやれるんだってね!

「でも、あたしたちもそう簡単に負けるわけにはいかない。
あたしとあたしのポケモンにも強い絆があるってこと、見せてあげる!
行くよ、ルカリオ!」

『はい、マスター』

「最後はやっぱりルカリオか。でも、ここまで来たからには私たちも負けない!
白刃、Saisir la victoire!」

『D'accord princesse』

白刃がフィールドに着地する。

「白刃、今までトレーニングしてきたことをこのバトルで全部ぶつけるよ!」

「なるほど。フユカちゃんたちにとって、このバトルはリベンジ戦でもあるんだね。
だったらその熱意、あたしたちは全力で受け止める!
最初から全開で行くよ! ルカリオ、メガシンカ!」

全身が光に包まれ、姿を現したメガルカリオ。

前回はあのスピードに翻弄されちゃったけど、今回はそうはいかない。

「まずは手始めに、辻斬り!」

『Oui!』

「ルカリオ、かわして!」

『はい!』

かわされちゃったか……。やっぱりあのスピードはすごいな。

でも、このスピードを攻略するためにトレーニングを積んできたんだ。

「白刃、走って!」

『はい!』

『なっ……!』

「えっ!? 何、あのスピード!?」

アレックスさんと烈の考えたトレーニングの目的は、白刃のスピードを底上げするというもの。

メガルカリオの特徴は、卓越した攻撃力とスピード。

それなら、メガルカリオを凌ぐだけのスピードを身に付ければ勝利に近付ける。

それが2人の考えだった。

「白刃、そのまま火炎放射!」

『Oui!』

灼熱の炎はまっすぐルカリオへと飛んでいき、命中した。

『くっ……!』

「負けないで、ルカリオ! ボーンラッシュ!」

「かわして!」

白刃が華麗なステップでルカリオの猛攻をかわしていく。

前回のバトルの時と比べれば、白刃のスピードは桁違いだ。

トレーニングの成果としては十分!

『姫、次はいかがなさいますか?』

「うーん……。白刃、そろそろいけそう?」

『私は大丈夫です。姫の仰せに従います』

「ん、分かった。じゃあやりますか!」

私はジムに行く直前、白刃にあるものを渡していた。

"白刃、これ持ってて"

"これは?"

"今回のジム戦でキーになるものだよ。トレーニングで身につけたスピードと同じくらいにね"

"分かりました。お受け取り致します。姫、勝ちましょう"

"うん!"

白刃を信じて……絶対に勝つ!



「白刃、メガシンカ!」


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