01
ある快晴の日、私はポケモンセンターのロビーにいた。
今日はコルニちゃんとバトルする(予定)の日。
次のバトルは正式なジム戦だけど、私たちにとっては前回のリベンジ戦でもある。
そのために、あれから今日までトレーニングを積んできた。
みんなのコンディションもバッチリ!
さぁ、ジム戦に行こう! ……って、言いたいところなんだけど。
『フユカ、どうしたの? ジムに行かないの?』
「ちょっと待ってね。"もうすぐ来る"って連絡があったから」
「あいつらが遅刻なんて珍しいな」
「うん。電話の向こうで烈がすごく焦ってたみたいだけど、どうしたんだろう?」
ていうか、もう1人別の人の声が聞こえてたような……?
まぁ、良いか。
とりあえず、アレックスさんと烈が来るまで待っていることに。
「姫、私が2人を迎えに行きましょうか?」
「迎えに、って……場所分かるの?」
「うっ……」
あ、詰まった。
恥ずかしさから来るのか何なのか、頬がほんのり赤い。
「申し訳ございません……。
どうすれば姫のお役に立てるのか、常日頃から考えているというのに……!」
「気持ちは十分伝わったから、落ち着いて。
……あ、来たみたいだね」
遠くに見えた、こっちに向かって走ってくる影。
アレックスさんと烈と……あの女性はどなた?
「フユカちゃん! 遅くなってゴメン!」
「気にしてないんで大じょ「フユカ! 会いたかったわ!」……べふっ!?」
見知らぬ美人さんにいきなり抱きつかれました。
てか、何で私の名前を知って?
「おいおい、水恋」
「こうなるからお前は連れて来たくなかったんだ……」
烈が頭を抱えて溜め息をつく。
それより、誰か私を助けてください。
ぎゅうぎゅうと抱き締められてるもんだから息が……。
「ひ、姫! お気を確かに!」
『あー! フユカ、顔が青くなってる!』
「相変わらずだな、水恋……」
「ず、随分と熱烈な抱擁ですわね……」
「フユカが死にそう……」
早よ誰か助けんかいいいいいぃぃぃぃぃ!
[*prev] [next#]
TOP