02

「はー。風が気持ち良い」

少しだけ1人になりたくて、ポケモンセンターを抜けてきた。

(白刃が目を覚まして良かった)

3日前、私はコルニちゃんとのバトルで負けてしまった。

メガルカリオは格好良かった。

それに、メガシンカしたポケモンは能力が飛躍的に向上することも知ってる。

だけど、実際に自分の目で見たのは初めてで……。

ルカリオの予想を上回るスピードに動揺し、翻弄されてしまった。

それであんな負け方させてしまってたら、世話ない。

「はぁ……」

今ので何度目かになる溜め息をついた時だった。



「どうしたんだい?
あんまり溜め息をつくと、幸せが逃げてしまうよ」



突然声をかけてきた金髪の男性。

格好良い人だなぁ。 モデルさん?

「ちょっと色々あって。それより、あなたは?」

「僕はアレックス。プラターヌ博士の助手をしているんだ」

モデルじゃなくて、博士の助手だったんだ。

ってことは、この人も研究者なんだよね。頭良いんだろうな。

「君の名前を聞いても良いかな?」

「あっ、はい。
私はフユカって言います」

「よろしくね、フユカちゃん。
あれ……?」

「どうかしましたか?」

「あ……いや、何でもないよ。
ところで、溜め息をついていた理由を聞かせてくれるかい?
僕で良ければ相談に乗るよ」

「ありがとうございます」

私はアレックスさんに3日前のことを話した。


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