06
ジムリーダー・コルニとのバトルを終え、ポケモンセンターに戻ってくる。
いつもなら意気揚々としているフユカが、今日は別人になったように元気がない。
『フユカ、悲しそう……。バトルに負けちゃったから?』
「いや、それだけじゃねぇ。ただ闇雲に攻撃させて、最終的に自滅させる形になったのが堪えてるんだろ」
「動揺がそのままバトルに出てしまったのですね……。
あんなに悲しそうなフユカの姿は、見ていて胸が痛くなりますわ」
『元気付けてあげられないかな……』
今にも泣き出しそうなフユカを横目で見る。
「いや、今はそっとしておいた方が良いだろうな」
今ここで俺たちが何を言ったとしても、あいつは自分を責めることをやめないだろう。
今のあいつには、1人になる時間が必要だ。
「フユカ、白刃の様子を見てくるな」
「……」
フユカからの返事はない。
そのまま雅たちを連れて、白刃のいる治療室へと向かう。
人間もポケモンも、失敗を繰り返して強くなっていく。
「今は泣け、フユカ。
思い切り泣いて、今回の失敗を次のバトルに活かせば良い。
お前は1人じゃねぇ。雅も、蒼真も、悠冬も白刃もいる。もちろん俺も……」
お前には俺たちがいる。それを、忘れるな……。
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