04
「はぁ……」
結局、逃げるように部屋を出てきてしまった。
テオさん――
「俺は、どうすれば良いんだ……?」
いっそのこと、全部話してしまおうか……。
だが真実を語ったところで、信じてくれるのか?
先祖代々請け負ってきた使命を、アイツは受け入れられるのか?
10年前あの人を失ったように、俺はまた大切なやつを失うのか……?
「絶対にさせねぇ。アイツを犠牲になんて、させてたまるか……!」
あの人がいない今、アイツを守ってやれるのは俺たちだけなんだ。
「俺たちが守らないといけねぇんだよな。
そうだろ? "テオさん"……」
そう呟く俺を、月の柔らかな光が照らしていた。
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