05
ポケモンコンテストが開幕し、多くのコーディネーターたちが各々のパフォーマンスを披露していく。
ポケモンや技の魅力を引き出したパフォーマンスだというから、女性に人気が高いのだろうと思っていたが……。
なかなかに男性の出場人数も多いようだ。
隣では焔が"レイナたちの番、まだかなぁ"とそわそわしている。
「レイナさんが心配?」
焔とは反対隣に座っているアヤコさんが声をかけてきた。
「ヒカリもそうだけど、レイナさんにとっても初めてのコンテストですものね。
加えてダブルパフォーマンス。ハードルは高いわ」
確かに心配ではある。
レイナはおそらく、このような大舞台は初めてだろう。
しかし、緊張しているのは他の出場者も同じだ。
「全く心配していないと言ったら嘘になりますが……私は彼女たちを信じます」
「そう……。絆が強いのね」
「続いてはエントリーナンバー27番! レイナさんです!」
「!」
「誠士! レイナたちの番だよ!」
「あぁ」
「どんなパフォーマンスをするのか楽しみだわ」
ステージにレイナが現れ、2つのボールを上空へと投げる。
シールによってハートをまとった笑理と、リボンの球体の中に入っていた來夢が中央でポーズを決める。
リボンで出来たハートで2人を囲むことで愛らしさを表現したようだ。
「笑理、天井に向かって放電!」
レイナの指示で、笑理が上方に電気を放出する。
その後、來夢のサイコキネシスによって数本に分割され、笑理を囲むように床に向けられた。
「來夢は自己再生!」
レイナの指示を聞いた來夢がちょうど笑理の真上に移動し、自己再生を発動する。
その瞬間、観客席から割れんばかりの歓声が沸き起こった。
「これはお見事! 電気と自己再生の光による素晴らしい演出です!」
ステージの中央には、笑理の電気で彩られた――
光輝くクラウンが出来上がっていた。
その中央では、自己再生の光をまとった來夢が七色の宝石のように輝いている。
「へぇ! レイナさん、なかなかやるじゃない!」
その後全ての出場者の演技が終わり、結果発表の時間が来た。
二次審査に残ることができるのは8人。
出場者たちは舞台裏で緊張しながら発表を待っているのだろう。
ヒカリも、レイナも。
「大変長らくお待たせいたしました! 結果発表の時間です!
一次審査を突破し、二次審査に進んだのは……この8名です!」
その結果は――
「……あ! レイナの写真がある!
それにヒカリの写真も!」
2人とも無事に一次審査を突破し、二次審査への切符を手に入れたのだった。
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