07
朝食を済ませて向かったのは、私たちが宿泊していた部屋。
さすがに床に座らせるわけにはいかないので、とりあえずベッドに座ってもらった。
聞けば、目を覚ましてからずっと私を探していたそうで。
「気絶してからのことは、ラッキーから聞いた。感謝している。
ところで、お前たちはこれからどうするんだ?」
「テンガン山を経由して、ヨスガシティに行くつもりだけど……。どうかしたの?」
「私を、お前たちの仲間に加えて欲しい」
「……え?」
いやだってさ、こんなに唐突に仲間に入れてくれ、なんて言われると思わないじゃん。
「私は今まで、こんな自分を認めてくれる者はいないと思っていた。
あの洞窟では化け物と呼ばわりされるのが当たり前だったからな。
だが、お前たちはそう言わなかった。
たったそれだけのことが本当に嬉しかったんだ。
だから決めた。お前たちの仲間に入れたら、命をかけてでも守ると。
頼む。私をお前たちの仲間に入れて欲しい」
そう言って頭を下げる男性、もといフカマル君。
「分かったよ。顔を上げて」
だって、イケメンに頭を下げさせるなんて何か悪いし。
「じゃあ今日から君は、私たちの仲間だよ!」
「……ありがとう」
フカマル君がフッと微笑んだ。
やめておくれ、心のHPが削られるじゃないか……!
「じゃあ、名前を考えないとね」
「名前? フカマルではダメなのか?」
「名前は自分だけの、この世界にたった一つのもので仲間の証なんだよ」
「そういうこと。
じゃあ君の名前は……"誠士"」
「せいじ……?」
「うん。
"疎まれた力を守るための力にして、それを誇りに思えるように"って意味を込めてあるの」
「そうか……。
その名恥じぬためにも、私はお前たちを守ると誓おう」
「あたしは笑理」
「私は來夢」
「僕は焔」
「そして最後に、私はレイナ。今日からみんな仲間だよ。
よろしくね、誠士!」
誠士――
その力で、己の大切なものを守ることが出来ますように……。
[*prev] [next#]