05


迷いの洞窟を抜けてポケモンセンターへと戻ったのは、夕方だった。

ジョーイさんに一部始終を話し、フカマルの治療をお願いして部屋に戻ると疲れがドッと押し寄せる。

「はぁ。今までで1番走ったかも……」

「今日は色んなことがあったもんね」

「フカマル、大丈夫かな?」

「ジョーイさんはプロだから大丈夫だよ。絶対治してくれる」



フカマルの治療が終わったのは夕食を食べ終わった頃だった。

「レイナさん、フカマルの治療が終わりましたよ」

「フカマルは大丈夫なんですか?」

「えぇ、もう大丈夫。今日1日安静にしていれば、明日にはすっかり元気になるわ」

「良かった……」

ジョーイさんに許可をもらって、フカマルのいる集中治療室へ入る。

フカマルは静かな寝息を立てて眠っていた。

「フカマル、あの時は助けてくれてありがとう……」

フカマルの頭を撫でながら、あの時のフカマルの言葉を思い出す。

彼は"自分に仲間はいない"と言った。

それって、とても悲しいことなんじゃないかな。

「必ずいるよ。君を認めてくれる人が」

人間もポケモンも、自分だけでは生きていけないのだから――。


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