03
「で、ここどこ?」
迷いの洞窟に来たのは良いものの、完全に道が分からなくなった。
いわゆる、迷子。
「うわぁ! 16歳にもなって迷子とか嫌だぁ!」
『え、レイナって16歳だったの!?』
「ちょっと待って。何歳に見えてたんだ」
『じゅ、14歳くらいかと……』
手持ちの子にそんな歳に見られてたなんて……。
牛乳飲んだ方が良いのかな? あ、こっちじゃモーモーミルクか……。
『モーモーミルク飲んでも、もう身長は伸びないと思うよ?』
來夢の言葉がグサッと来た。
効果は抜群だ! ▼
『人間だ……。人間がいる……』
声が聞こえる方を見れば、そこにはズバットの群れ。
え、予想以上にピリピリしてるんですけど……。
『腕試しにはちょうど良い。やっちゃえ!』
群れのリーダーらしきズバットの指示を合図に一斉に飛びかかってきた。
『レイナ、危ない!』
笑理が肩から飛び降りてズバットたちに放電をくらわせる。
『大丈夫!?』
「うん、ありがとう笑理」
『強すぎる……』
『あいつと一緒だ』
『あいつが仲間を呼んだんだ』
何か仲間がどうとか言ってるけど、誰かに呼ばれてここに来た覚えは微塵も無いんだよ。
だけど、ズバットたちの言う"あいつ"というのが気になる。
というか笑理が放電を放ってからというもの、周りにいるポケモンたちの視線が痛い。
まるで異形の何かを見ているかのような目だ……。
『あいつを問い詰めるぞ』
移動を始めたズバットの群れを追って、さらに洞窟の奥深くへと入って行った。
[*prev] [next#]