05


ロズレイドVS來夢

來夢がバトルフィールドに出てくると、ナタネさんは顔を輝かせた。

「可愛いポケモンね! シンオウでは見たことないわ!
ねぇねぇ、その子草タイプ!?」

「ランクルスっていうポケモンなんですけど、残念ながら草タイプではないです。
イッシュ地方に生息するポケモンなので、シンオウでは珍しいかも知れないですね」

「どんなバトルをするのか楽しみだわ! ロズレイド、ウェザーボールよ!」

來夢に向かって水の塊が飛んでくる。

あれをくらったら風邪ひくよね、絶対に。

「よし、分解しちゃおう! 來夢、あの水に雷!」

『了解!』

雷の電気が上手く水を電気分解してくれた。

「まさか、そんな方法でウェザーボールを封じるなんてね。
じゃあ、そろそろ天候を変えさせてもらうわ。
日本晴れよ!」

ロズレイドの日本晴れによって、空を覆っていた雨雲が取り払われ、代わりに太陽が顔をのぞかせる。

……暑いなぁ。アイス食べたい。

「レイナちゃん、ぼーっとしてる暇はないと思うわよ。
ロズレイド、ソーラービーム!」

「やばっ! 來夢、かわして!」

しかし、私が指示を出した時にはもう遅く、ソーラービームが來夢を直撃した。

でも、來夢にはあの技があるんじゃい!

「來夢、自己再生!」

「自己再生か……。なるほど、簡単にはやられないようね」

「もちろんです! 來夢、雷!」

「かわしてウェザーボールよ!」

来た!

ここでソーラービームを使われたらどうしよう、とか思ったけど、ウェザーボールなら行けるかも!

「來夢、ドレインパンチからサイコキネシス!」

『了解!』

ドレインパンチによって粉砕(正確には分割)されたウェザーボールを、サイコキネシスを使って動きを止める。

「何をする気なの……?」



「発射!」



指示と同時に來夢が操っていたウェザーボールを、ロズレイドに向かってぶん投げる。

次から次へと降ってくるウェザーボールの嵐に、ロズレイドは1歩も動けない。

ついに、最後の1球がロズレイドに命中した。

ロズレイドが日本晴れをしたので、炎タイプの技は威力が上がっているはず。

砂煙が晴れ、ロズレイドは……まだ立っていた。

「よく耐えたわ、ロズレイド!」

ナタネさんがサムズアップのポーズをしたのも束の間、ロズレイドは膝から崩れ落ちた。

「ロズレイド!?」

「ロズレイド、戦闘不能! ランクルスの勝ち!
よって勝者、チェレンジャー・レイナ!」

勝った……。

「勝ったよ、來夢! ありがとう!」

『えへへ〜。頑張ったよ!』

來夢と一緒に勝利の余韻に浸っていると、ナタネさんが小さなトレーを持って立っていた。

「レイナちゃん、熱いバトルをありがとう。とっても楽しかったわ」

「はい、私も楽しかったです。
今回の勝利も、この子たちのおかげですよ」

「そこまで育てるの大変だったでしょ? ポケモンに対するあなたの愛情が伝わってきたわ。
それと、おめでとうレイナちゃん。
これがハクタイジムを勝ち抜いた証、フォレストバッジよ!」

「ありがとうございます!」

『これがジムバッジか〜。とっても綺麗!』



ジムバッジ――。

それはポケモンとトレーナーの絆の証。

幾多の困難を乗り越えてきた証。

ナタネさんはそう言った。


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