02
ソノオタウンを出発して数時間後、私たちの眼下にはハクタイシティの街並みが広がっていた。
「着いた……ハクタイシティ!」
「これからどうする? 石像を見に行くの?」
「うーん。石像は見たいけど、ゆっくり見たいんだよね。
だから、先にジム戦を済ませるつもり」
「この街のジムリーダーってどんな人なんだろ?」
「噂では草タイプが得意なジムリーダーなんだって。だから、今回は焔の出番がたくさんあるよ」
草タイプと聞いて自分が有利なのが分かったのか、焔は急に笑顔になった。
するとその時、近くにある公園で子どもが集まっているのを見つけた。
近づいてみると、1人の女性が子どもたちの中心に立っていた。
『あの人、誰だろう? 有名なのかな?』
「さぁ?」
私があまりにじっと見つめていたせいか、女性と目があった。
「ねぇ!
君、ポケモンを連れてるってことはトレーナーね?」
「はい、そうですけど……」
「フムフム。
ということは……君の目的はズバリ! ジム戦ね?」
「はい。これからジムに行こうかと……」
「今はジムに行っても、ジムリーダーはいないわよ」
え?
どういうこと……?
「何でって顔してるわね。
だって、この街のジムリーダーは今、あなたの目の前にいるもの」
「はぁ、目の前に……って、ええええええぇぇぇぇっ!?」
ってことは……。
「じ、じゃあ……あなたがハクタイジム・ジムリーダーのナタネさん?」
「ご名答! ふーん、擬人化してるポケモンか……。
これは、楽しいバトルになりそうな予感がするわ!」
あれ?
私、擬人化してるポケモンがいるなんて言ったっけ?
「じゃ、あたしはジムで待ってるわね。
ジム戦楽しみにしてるわよ、チャレンジャーさん!」
「は、はい!」
ナタネさんは笑顔を浮かべると、颯爽と去っていった。
何かナタネさんのペースに飲み込まれてしまったような気がする。
『あの人、ジムリーダーだったのね。どうりで強そうだと思った』
笑理……何か感じてたのなら教えてよ。
でも、良いなぁナタネさん。スタイリッシュで羨ましい……。
て、そんなこと言ってる場合じゃないよね。
ここまで来た以上は、何が何でも2個目のバッジを手に入れなきゃ!
[*prev] [next#]