01

谷間の発電所での共闘をきっかけに、パチリスの笑理が新しく仲間になった。

女の子同士の來夢とすっかり打ち解け、今では大の仲良しになっている。

焔は後輩(妹分?)を持てて嬉しいのか、寝付かせるのが大変だった。



ピピピピ……ピピピピ……。

バシッ!

目覚まし時計が指す時間を見ると、AM8:00――。

まだ寝て良い時間だね。よし、2度寝しよう。

「おやすみ……」

「おやすみじゃないよ。今日はハクタイの石像を見に行って、ジム戦するんでしょ?」

「そうでした!」

來夢が毛布を引き剥がすと同時に飛び起きる。

起こされてなかったら、絶対昼まで寝てたわ……。

「おはよう、レイナ。
焔も笑理も朝ごはん食べ始めてるよ。早くしないとレイナの分が無くなっちゃう」

「それは困る!」

つい最近分かったことだが、焔はかなりの食いしん坊であることが判明した。

昨日もポケモンフーズを器に3杯は食べて、ケロッとした顔をしていた。

「焔、笑理、おはよう」

「あ、レイナ! おはよう!」

「おはよう。早く食べないと、僕が全部食べちゃうよ」



「……」



「レイナ、どうしたの? 食べないの?」

朝食を食べる食べないの問題ではない。

目の前には、おにぎりを頬張っている赤い髪の少年とお茶を飲んでいる白髪の少女がいた。

「……どちら様?」

「えぇっ? あたしたちを忘れちゃったの?」

「仕方ないよ、笑理。今の僕たちは人間の姿なんだから」

人間の……姿……?



「もしかして……笑理と焔?」

「せいかーい!」

目の前にいた2人はなんと、焔と笑理だった。

「でも、いつ擬人化したの?」

「分かんない。寝て起きたらこの姿になってたの」

「ほふも(僕も)」

焔……飲み込んでから喋ろうね。

それにしても、なんでうちの子は寝ている間に擬人化するんだろう……。

「よし、今日は朝ご飯を食べたらすぐに出発するよ。
今日中にはハクタイに行きたいから」

「じゃあ、レイナも朝ご飯食べないとね。あと1個しかないよ」

テーブルを見ると、焔が最後のおにぎりを手に取ろうとしていた。



私の朝ご飯が!



「焔ストーップ! それ食べられたら、私が朝ご飯抜きになるから!」

朝ご飯抜きを何とか免れ、ハクタイシティへ向かった。


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