05

発電所に着くと、少しだけ異色の光景があった。

発電所の扉の前に番人かのように突っ立っているギンガ団……。

「パチリス、変な人って……あれ?」

『うん。扉の前に立ってる人』

あの服装は間違いない。

友達に見せてもらったギンガ団の下っ端があんな服を着ていた。

ギンガ団が発電所を乗っ取っていることは100%確定。



よし、じゃあ行きますか。



「あの、発電所の見学をしたいんですけど」

「そりゃ、無理なお願いだな。
ギンガ団の仲間以外は誰も入れるなって命令されてるんだからよ」

「……ケチ」

「何だその顔は。そんなに入りたければ俺と勝負してみろよ!」

勝負ねぇ……。

「良いよ。さっさと片付けるから!

焔、レッツゴー!」

「行け、ビッパ!」

『やりますよ、ご主人!』

ちょっと待って……。
ビッパ、今"ご主人"って言った!?

似合わない……。

ダメだ、もう耐えられない……!

「プッ……。
アハハハハハハハハハ!」

「な、なんだよ! いきなり笑い出して!
俺に挑んだことを後悔させてやる!
ビッパ、体当たりだ!」

ギンガ団の指示を受けたビッパは焔に向かって全力でダッシュ。

「十分引きつけて!」

『了解!』

ビッパはそこまで速く走れない。

焔のスピードならかわせるけど……ここは勝負に出る!

ビッパが焔に激突するまであと5秒……。

今だ!

「火炎車!」

焔の火炎車がビッパにクリーンヒット。

「ビッパ!?」

ビッパは目を回して倒れていた。

「私たちの勝ち。焔、よく頑張ったね」

『やった、褒められた!』

「何てことだ! 俺は子どもに負けてしまったよ!」

オイコラ……子どもってどういう意味だ。

確かに背は小さいけど、れっきとした高校生だぞ!

え、それは関係ないって?

気ニシナイ、気ニシナイ。

「だがな、中に入って発電所キーを使えば入ってこられないだろうよ!
何故なら残りのキーはソノオタウンの花畑にいる仲間が持ってるからだよ!
ハハハ、そういう意味では俺の勝ちだよー!」

そういう意味って、どういう意味……。

それから貴重な情報をありがとう。

『ああ、もう! やっつけたら出て行ってくれると思ったのに!』

私の肩でパチリスが地団駄を踏む。

うん、地団駄は地面で踏んでね。痛いから……。

『でも、ギンガ団は"命令だから入れるな"って言われたんだよね。
誰の命令なんだろ?』

「幹部クラスの人間が発電所の中にいるってことだね。
でもその前に、発電所の鍵を手に入れなきゃ」

じゃあ、鍵を手に入れるために花畑に向かうとしようか。



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