02
「……というわけなんです。
來夢本人もどうして人間の姿になったのか分からないらしくて……」
PCの食堂で朝食を済ませ、來夢の擬人化についてナナカマド博士に相談した。
「フム……。私が学生の頃に聞いた話だが、トレーナーとの絆が強く結ばれた時に擬人化するポケモンもいるらしいのだ。
おそらく、來夢も擬人化したと考えるのが妥当だろう」
擬人化……。
向こうの世界にいた頃は夢小説読んでたからよく目にしたけど、それはあくまで空想の世界のことであって……。
「擬人化ねぇ……。
こっちの世界では本当にあるんだ……」
『ねぇ、來夢。
擬人化って、どうやったらできるの!?』
見るもの聞くものすべてが初めてな焔にとって、擬人化も好奇心に含まれるようだ。
『どうって……。
あ、そういえば昨日の夜に夢を見たんだっけ』
「夢?」
『うん。
何か見たことのないポケモンを相手に戦ってるんだけど、私以外の子はみんな倒されちゃってて……。
それでみんなを守りたいって思ったところで夢は終わったんだ』
「うーん……。
夢の中での"みんなを守りたい"って思いが擬人化に関係があるのかな?」
2人と1匹で頭をひねってみるが答えは何も浮かばない。
とりあえず"トレーナーを思う強い気持ちが擬人化に繋がる"ということにして、博物館へ向かった。
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