01

マサゴタウンを旅立ってクロガネシティに到着した。

始めにPCの部屋の予約をして、ナナカマド博士に連絡を取った後ロビーで対ジムリーダーの作戦会議を開こうとしていた。

「これからクロガネジムに挑戦するわけだけど、主戦力は來夢で決まりかな。
相手は岩タイプだからサイコキネシスとドレインパンチで何とかなると思う。
でも、問題は焔なんだよねぇ」

『僕、炎タイプだもんね』

「……分からないことに頭を悩ませても仕方ないよね。よし、ジムに行こうか」

結局、中途半端に作戦会議を終わらせてクロガネジムへと足を運んだ私達。

そこには、作業着を来た男性が立っていた。

「あの、ジムに挑戦したいんですが……」

「え、ジムに挑戦? 悪いねぇ、ジムリーダーなら今は炭坑にいるよ。
ここから南にまっすぐ行ったらすぐだから。赤いヘルメットに黒縁のメガネをかけてるからすぐに分かるさ」

「分かりました。ありがとうございます」

まさかのジムリーダー不在。

ジム戦を明日にしようとも考えたけど、ひとまずクロガネ炭坑に行ってみることにした。



クロガネ炭坑――。

そこでは作業員やワンリキーたちによって発掘作業が行われている。

「えっと、赤いヘルメットの人……。赤いヘルメットの人……」

さっき聞いた特徴を繰り返し呟きながら、薄暗い道を歩く。

『ねぇ、レイナ、あの人じゃない?』

來夢が指差した方向をみると、赤いヘルメットをかぶった人物が作業員に指示を出している。

本人だという確証はなかったけど、ジム戦のこともあるので思い切って聞いてみた。

「あの、私たちヒョウタさんって人を探しているんですけど」

その男性は、黒縁のメガネをかけている。

ジムにいた作業員さんから教えてもらった特徴と一致していた。

「ヒョウタは僕のことだけど、何か用かい?」

「私、レイナと言います。ジム戦をお願いします」

「チャレンジャーか。分かった、すぐに準備するから先にジムで待っててくれるかい?」

「はい!」

いよいよ、初めてのジム戦が始まろうとしていた。


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