06
目を閉じて、大きく深呼吸をする。
來夢が心配そうな声音で"レイナ?"と私を呼ぶ。
大丈夫、きっと大丈夫と自分に言い聞かせながら、ゆっくりと目を開いた。
「……やろう、ディアルガ」
『ディアーナ……良いのか?』
「良いも何も、私にしかできないことだもん。
もう……覚悟はできてる」
『おい、アンタ何を言って……?』
『レイナはレイナでしょ? ディアーナって何?』
困惑しているみんなの声が後ろから聞こえてくる。
でも私は決してそれに振り返ることなく、ディアルガの方へ歩み寄った。
遅れてナオトも歩いてくる。いつもと変わらない暖かくて大きな手が私の手を包む。
「僕もやるよ、パルキア。これが僕の……僕たちの使命ならば」
『……使命? 俺たち、そんなこと聞かされてないよ!』
『何を始めようってんだよ、ナオト!』
やっぱり、ナオトもみんなに話してなかったんだね。
神子の力の裏にある、あの代償のことを。
「緋色君たちに隠し事なんて、罪作りだね」
「その言葉、そっくりそのまま返すよ。
……僕たち神子は、表裏一体。死ぬ時は一緒だ」
「うん、ありがと……」
『えっ……"死ぬ時は"って、何? どういうことなの2人とも!?』
『俺たちにも分かるように説明を……!?』
みんなの声を振り切り、私たちは歪みの大穴を塞ぐために祈りを込める。
それと同時に、ディアルガとパルキアから強い光が放たれた。
[*prev] [next#]