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シンジ湖に向かって空を移動すること数時間。

リッシ湖のように爆破されてはないものの、ギンガ団のロゴマークの付いたヘリコプターが停まっていて物々しい雰囲気が漂っている。

『レイナ、シンジ湖ってあそこで良いのか? ……なんて、聞くまでも無ぇか』

「うん。……中に突入するのは危険そうだね。
一旦湖の外に降りるよ」

勇人をモンスターボールに戻し、シンジ湖に続く道を歩く。

開けた場所に出ると同時に見えたのは、ギンガ団の下っ端とバトルをしているコウキ君とヒカリちゃん。

そして……前に谷間の発電所で戦った、マーズだった。

下っ端たちには何とか勝てたみたいだけど、ポケモンたちの体力は限界みたい。手助けしなきゃ!

「コウキ君、ヒカリちゃん! 大丈夫!?」

「えっ、レイナさん!?」

「どうしてここに!?」

「リッシ湖にギンガ団が現れたから、もしかしたらと思って。それより、怪我は無い?」

2人が揃って"大丈夫です"と口に出すと同時に、"あっ!"という別の声が聞こえた。

「あなたの顔! 嫌なこと思い出しちゃった!
発電所のこと、あなたのせいで酷い目にあったんだから!」

「それは奇遇だね! 私も2度と思い出したくない顔だったよ!」

「なっ……あたしは強くて美しいの! それくらいのことは頭に入れなさいよ!
で、どういう風の吹き回し? "神子"のあなたが、あたしたちの前に自ら現れるなんて」

「そんなの見て分かるでしょ、助太刀だよ。それに、ギンガ団なんかにエムリットは渡さない!」

エムリットの名前を口にした私を見て、マーズは怪しく笑った。


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